直千について

[元の投稿時間] 2011-05-23 00:33:42

 芝1200mと関係があるような無いような新潟芝1000m。5月の最終週にはルミエールS(3歳以上、別定OP)が控えていて、掴み所がないままではユニークな距離を楽しめません。

 この記事では某ブログで目にした「○○ダッシュ指数」という単語をヒントに、このユニークな距離をどう攻略したら良いか考えていきます。

 参考レース: 駿風S(2011/05/22)
 参考図書 :「人生が変わる競馬」半笑い 白夜書房


------- スペシャリストの領域 --------

 改・スピードの違いについてでも使用している“平均時速/距離による速度の違い”のグラフをご覧下さい。

あみーケイバ-ave-speed  あみーケイバ-平均時速(横棒)

 一般に短距離と言われる1600m以下は各距離間のスピード差が大きく、これは距離が短くなるほど顕著です。レコードタイム同士であっても、1000mと1200mでは2.0km/h以上も平均時速が違います。

 この2.0km/hという差は非常に大きく、他の距離であればマイラーと長距離馬の速度差に匹敵するほど。長い距離向きのスタミナを持ちながら短い距離でも善戦できるようなスピードを持った馬は例外なので、大抵の馬はスピード差を埋められません。

 1200mで好走していても、スピードが足らなければ1000mでは通用しないのです。


---------- 新潟芝1000m -----------

 新潟芝1000mのコースについて見てみます。(JRA | 新潟競馬場 コース図

 発走直後200mあまりは緩い上り坂ですが、それを過ぎると残りはほぼ平坦です。中山芝1200mや阪神芝1200mのようにゴール前の急坂は存在せず、コーナーもないのでスピードを損なう要素がコース上にありません。

 足下の芝も湿度の高い新潟だけに洋芝は使用できず、10cm程度の短い野芝だけ。このため、芝もスピードを損なう要素になりません。

 馬が持つスピードを余すところなく発揮できるコース、それが新潟芝1000mです。


--------- 距離短縮への適性 ----------

 距離短縮でもスピードで見劣らない馬を探すにはどうすれば良いでしょうか。好例として10'マイルCSを挙げます。

10'マイルCS 33.7-23.0-35.1 =1'31"8

 マイルCSとしてはテン3Fが規格外に速く、中盤も速い流れ。この前傾の流れを作った=逃げたジョーカプチーノは9着に終わりましたが、次走のラピスラズリS(中山芝1200m)ではほぼ逃げに等しい位置取りで完勝しました。

 ジョーカプチーノの例のように、テンで速いラップを刻めるというのは距離短縮への適性を見せている、スピードの高さを示していると判断できます。これは1200mから1000mへの距離短縮でも同じ判断をすることができます。



--------- 駿風Sでの実践例 ----------

 ではお待ちかねの実践例です。長くなりますので、お茶でも飲みながらリラックスしてどうぞ( ´・ω・`)_且~~

 先日の駿風S(2011/05/22)の馬柱を見て、こう判断していきます。(できればJRA ホームページなど、過去走をすぐ調べられるものだと心強いです)

(1) 1200mを逃げられる馬を探す ----------

 距離短縮でスピード負けしない馬なのですから、1200m戦でハナを奪えないようなスピードでは話になりません。また、距離短縮とはいえ終いの直線を前に逃げ脚が鈍る馬は、スピードやその持続力が足りない危険がありそうです。3・4角の通過順が1-1と揃った馬の方が良いでしょう。

 近4走で逃げた馬(3・4角通過順が1-1の馬)を探すと以下の馬が該当します。馬名後の()内は該当レース

2-2 アスターエンペラー(薩摩S、山城S、サンライズS)
2-3 セブンシークィーン(伏見S)
4-6 エスカーダ(中山WP)

 ひとつ注意したいことがあります。スピードがあっても1200mは距離が長いと判断し、緩いペースで逃げている場合があります。過去に速いテンを刻んでいないかをチェックしておくと、こういった抜けを防ぐことができるでしょう。


(2) 距離短縮への適性を探る ----------

 (1)で1200mでのスピード上位馬、と思われる馬をピックアップしました。それぞれの馬たちが1000mへの短縮でスピード負けしないかどうか、逃げたレースのテン3Fが速いかどうかを調べていきます。
 なお掲載しているラップはレースラップですので、上がりは各馬が踏んだラップではない場合があります。


2-2 アスターエンペラー
 薩摩S 32.8-36.0 =1'08"8稍重(小倉)
 山城S 34.3-34.9 =1'09"2稍重(京都)
 サンS 33.3-35.0 =1'08"3(中山)

 薩摩SとサンライズSのテンが同クラスの平均よりやや速く、距離短縮への適性がありそうです。比較的緩いペースだった山城Sは参考外になります。


2-3 セブンシークィーン
 伏見S 34.8-34.0 =1'08"8(京都)

 伏見Sは緩い流れ。これは“1200mが長い”と判断しているパターン?過去を探してみると、10'下関S(32.9-34.9 =1'07"8、小倉)での逃げて2着がありますが、特に速いテンではありません。
 さらに過去にスピードを見せていたレースを探すと、ひときわ目立つ1着、1着、18着、1着の文字。この中で上級条件である09'桂川S(33.6-34.3 =1'07"9、京都)は発走直後が上り坂の京都ではかなり速いテン。その前の札幌での2連勝はいずれも着差の大きい=スピード能力の高さを見せた逃げ切りでした。平坦コースでのスピードは高いものを持っていそうで、距離短縮+平坦と好条件が揃いました。


4-6 エスカーダ
 中WP 33.6-34.5 =1'08"1

 中山ウインターPのテンは平均的なもの。過去走を探しても、高いスピード能力を見せたというレースは見当たりません。距離短縮への適性はなさそうです。



(3) 直千実績馬を探す ----------

 ユニークな距離だけにこの距離での実績を重視したくなるところ。とはいえ、1200mでしっかりスピードを見せている馬に対して、下級条件の直千で辛勝している馬では太刀打ちできません。やはりクラスなりの壁があります。
 ひとつ下のクラスでの直千実績なら「2着馬に1馬身以上の差を付けていた」など、完勝している必要があるでしょう。

 妙味を追う人、過去走を調べるのが面倒な人(私ですがw)にとってありがたい事に直千実績馬は人気になります。近走の着順が冴えていないのに、人気になっているなら過去に直千での好走実績があるのではないでしょうか。

6-11 マヤノロシュニ(1番人気)
 『新潟の直千で4戦3勝!3着1回!』これはインパクトのある見出し。ただ、近走の1200mではハナを奪っていません。さらに直千での4戦のうち、上級条件である10'稲妻特別(1000万下)は1馬身1/2+ハナ差の3着と完敗。いくらハンデが軽かろうと、スピードで見劣る危険がありそうです。

7-12 レオパステル(2番人気)
 近4走は好位~中団で差して善戦している程度。この馬は過去走に実績がありそうです。過去走を調べると10'稲妻特別で勝ち星があります。1番人気のマヤノロシュニが3着に敗れたレースですね。これを2着に1馬身1/2差で完勝。そのときの斤量が52.0kgで、今回は+2.0kgですが、成長を見込めばこなして来そうです。ひとつ下のクラスの直千を完勝した実績は軽視できません


(4) まとめ ----------

 1200mからの短縮適性がありそうなのは2-2 アスターエンペラーと2-3 セブンシークィーン。この2頭で、より距離短縮への適性が高いと思われるのは2-3 セブンシークィーンです。
 これに10'稲妻特別を圧勝している7-12 レオパステルの成長を見込み、この2頭で勝負をすれば…レース結果通りのワンツーを予想できたのかもしれません。3着に2-2 アスターエンペラーですから3連単も狙えたでしょうか?



---------- あとがき -----------

 結果があるなら原因があります。その間に過程があります。結果からひとつひとつ追っていくことで、同じようなケースで結果を予測することができる。ちょっと科学的。

 今回、関連付けることはできませんでしたが、テンのダッシュ力(=スピード)を問われやすいのは発走直後が平坦か下り坂であるコースだと考えます。テンが上り坂ではパワーでスピードを誤魔化している場合があると思えるためです。テンが平坦か下り坂の1200m=札幌、新潟、中山、阪神、小倉ですね。

 これら5コースでスピードを見せている馬は直千で!(2011/05/23)

著者:あみー

4~5歳牡馬相当。軽い芝の長距離◎?(重い芝・中距離△? 中長距離▲?) 荒れ馬場・道悪△? ゲート:△? 先行力:F? 底力:E? キレ:F-? 持続力:D-?(甘め) 平坦○、急坂△。逃げ○、逃げ以外△