第64回 神戸新聞杯(G2) 結果コラム

【3着争いで不甲斐ない騎乗にガッカリ】

ミッキーロケットの大健闘には驚かされたものの、サトノダイヤモンドがキチンと人気に応えて勝ち上がったのは「本当に強い馬が上手いジョッキーを背にして勝つべくして勝った」と言え、配当は低くても見るべき価値あるレースになったのは幸いである。

しかし、そんな1・2着争いの後ろで、だらしない騎乗顕著な二人のジョッキーの姿には正直唾を吐きたくなる想いが湧いてならなかった。それが武豊と岩田の騎乗である。

先ず、何よりふざけた騎乗をしたのが武豊の「始めから勝つ気のないバカでもやらない後方待機決め打ち騎乗」で、誰もがサトノダイヤモンドの後ろで競馬を進めた武豊の判断に愚かさを感じた筈。

私には、これが中央競馬において前人未到の記録を作り続けているジョッキーの個人的な判断とは到底考えられない。これでは好走が全てヤラセであるどこぞの息子がよくやる着拾いのボンクラ差し競馬でしかなく、逃げると言うならまだしも、ただただジョッキーのおバカ度と実力と判断力のなさを晒すだけのマヌケ騎乗でしかないからだ。よって、おそらく今回武豊が取った後方待機策は「同馬は長距離戦では同世代の強豪たちに太刀打ちできないと判断した関係者が、今後は中距離戦で戦うための布石にするためワザと追い込み競馬で負ける事で人気を裏切る選択をした」と思った。何しろ、同馬は春の時点でも「G1を勝ちたければNHKマイルCに行け」と言われていた馬であり、しかもすでにジョッキー自体が過去に通用した神通力もなくなっている「ハイレベル世代の不運な良血コンビ」でしかないからだ。

周知のように、エアスピネルの調教師と武豊ではジョッキーの方が立場が上であり、調教師がジョッキーに乗り方を指示する事など出来ない。それだけなら単にジョッキーが愚かな判断をしただけとなる訳だが、もしも単に負けるだけだったら4000勝ジョッキーがわざわざ誰でもすぐに見抜けるようなマヌケな騎乗をする必要はない。逆に先手を取って「サトノダイヤモンドを負かそうと思って思い切った競馬をした」と言う方がまだしも周りを納得させられた筈。なのに武豊は敢えて後方からの追い上げ競馬をしたのだから、おそらく先行してタレて負ける事によって馬がレースを諦める癖が付く事だけは避けようとしたと思われる。これなら今後マイル戦に距離変更しても惨敗する事はない筈。馬は賢い生き物で、届かない競馬なら闘争心を失う事はないが下手に先手を取ってタレてしまうとすぐにレースを諦める癖が付く怖れがあるからだ。こんなマネは、いくら4000勝ジョッキーと言えども個人の判断で取れる訳がない。だから今回の武豊は、まるで福永祐一や川田がやるような着拾い競馬をしたと思ったのだ。

また、見方によれば武豊以上に酷い騎乗をしたと言えるのが岩田である。何しろ、一度はズルズル落ちると思われた馬にもう一度ムチを入れたら危うく3着馬を交わすほどの脚を使って馬が伸びてきたからだ。これはあきらかに馬を追い出すのを一度止めた、あるいは伸びない位置取りに馬を誘導してからワザと遅れて追い出したかのいずれかでしかない。つまり、ジョッキーが諦めずにキチンと追っていれば優先出走権は取れていた筈で、これは岩田の不調などと言う問題以上にジョッキーの手抜きが行われた証しと言えるからだ。

ただ、元地方ジョッキーで息子を競馬学校に入れた岩田の立場を思うと、今回の酷い騎乗も単純な手抜きとは言えない点に同情を禁じ得ない。元地方の岩田には中央に縁故がない。どこの競馬場でも縁故のある者がジョッキーとして優遇されるのが(悪い意味で)世界共通の常識である。そんな中でおそらく息子の希望を汲んで競馬学校に入学させたからには、その見返りとして己の実力を削られる事になるのが当然になる。なぜなら、今の中央騎手界は優遇されて記録を作っている縁故ジョッキーが世界で通用しない平々凡々の実力しかない事がバレて、ミルコとルメールの通年騎乗、モレイラやムーアやスミヨンなどの外人ジョッキーを間断なく招聘せざるを得なくなっているため、岩田のようなダービーまで制してしまった元地方ジョッキーにこれまで通りに乗られてしまうと「競馬学校とは本当は必要ない機関」である事が顕著になって主催者の立場が弱くなってしまうからだ。口悪く言えば、農水省管轄として騎手育成に多額の税金を貰っている競馬学校がなくなってしまうと困る連中が大勢出てくるので実力主義が取れないのが今の競馬学校の有様なのである。だからその弊害として実力を発揮出来ない岩田を悪評するのは忍びないのだ。

それでも、今回の武豊と岩田の騎乗は批判せざるを得ない。共に勝つ気のない競馬を丸出しにした騎乗だったからだ。二人ともそれなりの腕はある筈。せめてバレないくらいの手抜きで済ませて頂きたいものである!