第154回 天皇賞(G1)結果コラム

【モーリスが完璧な競馬で優勝】

スタートから万全の位置取りでレースを進めたモーリスが、直線半ばで馬場のど真ん中から抜け出すと後続に影も踏ませぬ鮮やかな競馬で優勝。

正直、この勝利には大いに驚かされた。この勝ち方なら文句なく中距離戦でも無敵の存在に成り得るモノで、とても札幌記念で同厩舎の馬に届かなかった馬とは思えない完璧な勝ちっぷりだったからだ。

たしかに、ムーアの騎乗と言うのも完勝の大きな要因になったかも知れないが、それを最大の勝因とするにはあまりに完璧な勝ちっぷりで、今回のメンバーではとても太刀打ち出来ないと思える能力違いの内容だった。

こんな勝ち方ができるのだから、2000m戦だけでなく是非ともジャパンカップに出て欲しいと思ったほど。少なくとも馬券対象から外れる事はないだろう。とにかく驚いた!

2着には、道中死んだふりで待機策を取ったリアルスティールが飛び込んだ。伊達に3才クラシックで常に好走していた訳じゃない事を示したのは同馬にとって何より幸い。何しろ、過去の鞍上がロクでもなかったため勝てるチャンス全て取りこぼしていたからだ。やはり本気の厩舎とミルコは腕が違う!

3着には、昨年の2着馬ステファノスがリアルスティールと同じく道中不利を被らないように乗って3着に飛び込んだ。同馬も今回が川田の2度目の騎乗だった事が大いに活きたと言えるが、所詮学校上がりのジョッキーなので今回のように展開恵まれての3着が精一杯だった事は間違いない。

残念だったのは、ルメールがペースを読んで自ら勝負に行って敗れたラブリーデイ。何しろ、武豊の完全援護に回った田辺の番手追走に乗っかっては勝てないと踏んで自ら番手勝負に行ったからだ。これについては色んな意見が出ると思われるが、少なくともジョッキーが勝とうとして乗った事だけは間違いないので、援護に明け暮れた学校上がりジョッキーたちよりは百億倍もジョッキーらしい信念があると評せるだろう。

このジョッキー援護の最大の被害馬がルージュバック。向こう正面から常に前と外を塞がれてずっと身動き出来ず、結局直線でも前に壁を張られて正味まともに追えたのは残り200m辺りから。これではどんなにすごい脚があっても勝負になる訳がない。しかも、これが意図的にマークされての被害だったらジョッキーの擁護も出来るが、どう見ても戸崎が敢えて前に馬を置いて流れに任せて淡々と進めてしまった事で起こった事象であるからには「戸崎のミス、あるいは意図的凡走」としか評せない。ましてや、ずっと同馬の外を塞いでいたのが2着のリアルスティールなのだから、普通にリアルスティールの後を追いかけていれば勝ち負けにはならなくてもこんな消化不良の結果にはならなかった筈。これだけでも今回の戸崎は最低だったと言える。いずれにしても、ルージュバックは可哀想としか言えない。

今回の秋天は、外人1・2着と言うだけでなく負けても勝負に行ったのも外人だった事で、4000勝ジョッキーを筆頭とする学校上がりと元地方の日本人ジョッキーの不甲斐なさが特に目についた。

何より、戸崎クラスが出し所でバタついたのでは日本人ジョッキーなど誰も信頼できなくなって当然。これならまだ馬が伸びないと言う理由の方がマシと言えるだろう。