今年の凱旋門賞が今後の中央騎手界を示唆する(予測)

【生産界を生き残らせる事が日本競馬の命題だけに...】

今年の凱旋門賞にはサトノ馬主さんの2頭が挑戦する。

もちろん期待を担っているのはダイヤモンドであってノブレスの方ではない。

だが、これは何も鞍上がルメールと川田だから差があるという意味ではない。

逆に、どちらも負けるとすれば、下手をするとノブレスがダイヤモンドに先着するかも知れない。

こと凱旋門賞がヨーロッパの威信を懸けたレースであるからには、そこに出てくる日本代表馬が開催地のフランス人騎手で臨んで勝つ事を望むのは「まるで帰化選手だらけでワールドカップ優勝を期待するようなもの」であり、はっきり言って勝てなくて当然と言える。それなら今年はどちらも負けるのが必然になるため、逆に川田の乗るノブレスが無欲と無警戒を突いて意外な健闘を見せても一向におかしくない。

仮にどちらも勝機がなくなった場合、ダイヤモンドは後に種牡馬としての期待もあるだけにムリはさせられないし、もちろんルメールもムリに追う事もしないだろうが、ノブレスはそれこそ川田は最後まで必死の乗らないとただただどうしようもない惨敗で終わってしまうだけ。何しろ出走してくる騎手の中で一番下手な騎手が川田であり、それが却って健闘につながる事が競馬ではよくある事だから。

したがって、残念ながら今年も日本馬が勝つ事は極めて難しいと言わざるを得ない。

それでも、仮に日本馬が好走できなかったとしても同じ芝レースを主体とするヨーロッパの最高峰レースに馬を送り出す事には大きな意義と価値がある。特に日本の生産界にとっては、芝レースの最高峰レースに代表馬を送り出す事で世界を相手に取引するという明確かつ巨額の利益は計り知れない。これがある限り、いくら無謀と見えても生産界は凱旋門賞挑戦を続けていく事が命題になるだろう。

この大きな意義に対して、無念な事に現状の中央騎手界でこの意義に対応できる日本人騎手は誰一人いない。

この原因は、皮肉にも競馬学校を作って騎手の独自性を高めた事にあり、それまでの厩舎所属でしか騎手になる道がなかった徒弟制度から騎手を解放した事でこれまで以上に騎手の安全性を重視する姿勢を取らざるを得なくなった事から、言わば「アタマでっかちの対応力未熟の人材育成」に陥ってしまったためである。

ようやくこの原因に気付いてルール改正をしたのが昨年の事だが、これまでの30年間でこの反対の降着ありきの危険防止ルールでレースを施行してきただけに、いきなり騎手たちに世界基準の激しい接触に耐えろと言っても出来る訳がないし、危険を冒して馬群を突くほどの技術も持ってない。しかも、長年の慣習からすでにデビューの時点から関係者の子息や特定の者が抜けた優遇を受ける仕組みが出来ているため、先の中谷の異議申し立てよろしく、実績の小さい者の異議など受け入れるゆとりもなければ検討する余裕もない。

したがって、今後の中央騎手界はもっと多くの国から外人騎手がやって来る事になるだろう。そうしなければ今の騎手たちでは悪い意味での促成栽培が祟って世界基準の闘い=鐙の接触やぶつかり合うほどの狭い中での騎乗が出来ないし、学べないからだ。

この事から推論できる日本馬の凱旋門賞制覇の夢を叶える唯一の道は、ヨーロッパ出身の騎手ではない本物の名手である希少な外人騎手を招聘する事と断言する。

来てくれるかはもちろん未知数だが、とりあえずモレイラが現状では最有力候補になると思われる。短時日に夢を叶えられるとすれば、これしか道はないだろう。何しろ日本人騎手にはイチローのような本物の天才など誰もいないのだから!